第3回アマチュアギターコンクール結果 臨時号
第3回「JUGAアマチュアギターコンクール」を終えて
今年度の「アマチュアギターコンクール」が終了した。結果は、以下のとおりである。
1位 該当者なし
2位 蔵本浩史 「BWV998より前奏曲」バッハ
「コンポステラ組曲より前奏曲」モンポー
3位 野口潤世 「月光」ソル
「バーデンジャズ組曲よりシンプリシタス」
イルマル
3位 松山 繁 「グランワルツ」タレガ
今回で第3回を迎える「アマチュアコンクール」に、今年は8人のギター愛好家が挑戦した。課題曲・自由曲に果敢に挑戦し奮戦された8人の皆さんの「志」の高さに、心から敬意を表したい。埼玉、岡山など他県からの挑戦者も増えてきており、本協会の「アマチュアコンクール」が、ギターを愛する者たちにとって「上達のための一つのステップ」として認識されてきていることを嬉しく思う。
さて、今年も「1位:該当者なし」という結果になった。結果を発表したとき、会場には「納得しかねる」空気感が流れた。3回続けて「1位 該当者なし」という結果を受け止めかねるという空気である。実に想定内の反応である。当協会「JUGAアマチュアギターコンクール」が「1位」に求める思いは、第1回の時から伝えているように、「音色」にきらりと光る魅力を感じさせたかどうかにある。つまり、ギターを傷なく上手に弾くことに主眼を置いているわけではないということなのだ。
「アマチュアコンクール」と銘打っている以上、本番で傷がでてしまうことに対しては多少目をつぶろうという思いがある。もちろん練習に練習を重ねて演奏の傷を少なくするための努力は当然だし、皆さんの演奏を聴いていると本当によく努力していると感心させられる。ただ、演奏者の心に「音色」の魅力を求めようとする意識が弱いのではないかと判断した。
では、「音色の魅力」とはどういうことなのか。言葉で表現するのは難しい。そこで、会場で挑戦者のギターを借りて音色の「違い」を実演し、演奏に「音に色を際立たせる」という提案をさせてもらった。理解したいという素直な心を持つことができた人は、キャッチできたことだろう。ギターの最大の特徴といえる「音色」の魅力を、音の大小・強弱だけで表現しようとする態度はもったいない。技術の上ではプロ級の挑戦者もいる中で、「音色」の魅力ということに意識を持って自分なりに工夫しながら練習していくなら、もっともっとギター道が楽しくなるのではないだろうか。
それでも嬉しい出会いが3年目にあった。技術的には粗削りだが、際立つ「音色の魅力」を感じさせる東京の高校生野口潤世君。今後を大いに期待したいという思いで「3位」に位置付けた。原石発見である!「JUGA アマチュアギターコンクール」が、ギター本来の魅力を求めていくギター上達の一つのステップとして、ますます発展していくことを期待している。
2017.10.16
吉本光男