協会便り 2018年2月号
ヤン・セオ(韓国ギター製作者)の来日
ヤン・セオは、昨年の「アジア国際ギターフェスティバル」でバンコクに行ったときに知り合った韓国在住のギター製作者である。展示会場で自作のギターを手にギター製作への夢を語る彼の眼差しの強さに魅かれた。そのヤン・セオが、1月半ばには予約したギターを持って来日する予定であった。製作が遅れているということで、来日は2月25日以降となった。到着を楽しみにしていた予約者の方々にとっては残念なニュースではあるが、「果報は寝て待て」とも言う。良いものを手に入れるには、時間もまた必要である。新しいギターは、弾き込みが必要な分選ぶのが難しい。だが、彼のギターの良いところは、弦とマッチしたときすぐにも美しい「音色」で応えてくれるというところだ。
ギター製作者が育つ為には、良いギターを求める演奏者の存在が必要である。どんな楽器を使う場合でも、音楽創りの神髄は「音色」にある。演奏する者がそのことを肝の中心に据え、納得の「音色」を創り出そうという気概を持って臨むこと大事だ。そういう演奏家の思いに応えようと、製作者は優れた楽器作りに精魂を傾ける。その意味で、ギター製作者と演奏家との関係は、恋愛に似ていると言える。志に燃える若いギター製作家ヤン・セオを優れたギター製作者に仕立て上げるのは、ギター演奏者である私達の姿勢にかかっているともいえるだろう。お互いの切磋琢磨こそが名器・名曲を世に残すことになる最大のエネルギーである。
さて、今年の最初の「日本ユニバーサルギター協会」の活動は、3月18日(日)の「ティータイム コンサート」である。この活動が、会員の皆さんにとって練習の励みとなり、成果を披露する良い機会として定着してきたことを嬉しく思う。今年も出場を予定し、そこに照準を合わせて練習に励んでいる人も多いことだろう。
先日、いつもの参加者とは別に、月に1回の練習日でフルートとギターの重奏を楽しんでいるという「ギ・フール」から、初参加の申し込みがあった。「ティータイム コンサート」は、誰でも気軽に参加できる音楽広場である。ギターだけでなく、音楽を楽しむ仲間たちが集ってお互いの練習成果を発表したり、互いの音楽情報を交換し合ったりするのに“ちょうど良い広場”になってきていることを嬉しく思う。すでに受付は始まっている。会場の使用時間の関係で出場者の組数が限られているだけに、事務局までの申し込みはなるべく早目にお願いできると有り難い。
2018.02.01
吉本光男