ギター上達コラム

   第66回  全く新しいことにチャレンジするのに適した年

 

下の【 】の中は、2014年10月に「日本ユニバーサルギター協会」を立ち上げた時に、会長挨拶の言葉としてトップページで紹介したものである。

【ギターをこよなく愛する人たちが心からギターを楽しめるような協会を共創していくことにより、これからの若い世代の人たちとのネットワークは広がり未来のギター音楽環境が豊かになっていくものと確信いたします】

この部分を読むと、設立当時にスタッフと共に語り合ったときの熱い気持ちを思い出す。縁あって、今年から「ツイッター」をやり始めることとなった。「ツイッター」は、老若男女を問わずギターに興味ある人たちとストレートに繫がることができる「意味あるツール」になりそうだ。

 

子年の特徴は、「種子の中に新しい生命が兆し始める状態」を指すのだという。つまり、「全く新しいことにチャレンジするのに適した年である」ということになる。いくつになっても、新しいことに挑戦しようとする好奇心はなくしたくないものだ。その上、令和2年の今年「チャレンジに適した年」と言うのだから嬉しくなる。1月16日、ご縁があって「ツイッター」の仲間入りをした。まずは自分史のつもりでこれまでに収録した4枚のアルバムの中から順次いくつかの曲をupしている最中である。登録した当日から早くも反応があり、その広がりの速さに少なからず驚いている。何より、スマホでupできる手軽さがいい。

 

現在、スマホ内臓のマイクによる音質が気になり、録音済みの「Album」の中から選曲したものをupしているが、外部マイクで「ある程度」いい音源が確保できるようになったので「Album」にない曲の演奏動画も配信していこうと考えている。そして、私の演奏がギターを愛する方達にとって参考且つ有益なものになってもらえるのなら嬉しく思う。

 

これは、「小さな曲からでもいい。自分の演奏を録音することで演奏技術の上達を図る」という、先の「上達コラム」の提案をはるかに超えて難しい挑戦である。外に発信していくものだからである。だが、気負うことなく「自分がいいと感じる」ところを披露していくことは楽しいことだ。工夫することで、ある程度の音色が確保できるようになれば面白いことになるだろう。発信したその瞬間から世界に広がっていく感じは「ツイッター」ならではの強みであろう。ギターを弾く楽しさを直に伝えることができる豊かな音楽環境になることを思うと、良いものに出会わせていただいた気がしている。

 

好きな曲を「ツイッター」でupしていこうという気があれば、日々の練習に磨きがかかり演奏技術は格段に上がっていく。それは、日常の練習が「自分ごと」として身につくということに他ならない。ギターに限らず、「自分事」にならなければ何事も身につくものではないのだ。「新しい曲への挑戦」「人前での演奏」「新しい楽器への挑戦」等など、まずは行動に移すことだ。行動すれば失敗もまたつきものだが、それも「新しい考え方を得る」ための貴重な財産となる。3月、新しい春の兆しを受けて庭の木々も草花も小さなつぼみの中で命を燃やし始めている。「新しい種子まき」がなければ、「新しい命を育む」喜びもまた生まれることはない。まずは1歩、強気で、前へ! 皆さんの新しい挑戦を心待ちにしている。

                        2020.03.01

                           吉本光男