ギター上達コラム
第29回 飛躍の年にするために!
気がつけば2月である。年々、時が流れるのをはやく感じるのは気のせいであろうか。
酉年の今年、「上達コラム」も飛躍の年として確かな実感に繋がるものを提供していきたいという思いが強い。
この道は、どこまでも続く「研鑽の道」である。そこをいかに上機嫌に修行していくかを日常的に問われている道ともいえる。
共に研きあう仲間がいることは、何と力強く幸せなことであろうか。
さて、物事の上達において欠かせないのが「基礎・基本」である。ギターに限らず、合理的な指使いやタッチに基づいた「音階練習」ということになる。この音階練習を毎日欠かさず一定量
(自分で決めた時間)行っていくことは、上達の王道であることは誰もが「分かっている」ことであろう。しかし、言葉で言うのは簡単だが実際に「毎日欠かさずに行う」ためには、持続する強い意志の力が必要だ。そこにギターへの思い(好き)がなければ決して続かず、単なる砂上の楼閣になってしまう。しつこいと思われると分かっていても、何度も繰り返し「基本が大事」と書くのは「上達コラム」の読者は少なくともギターが好きで、上達したいと強く願っていると信じているからだ。
『セゴビアは、音階練習を1日に2時間、毎日欠かさずやっていた』と以前にも紹介したことがある。”セゴビアはもう古い”
と決めつけたり、巨匠・セゴビアだから毎日2時間の音階練習が可能だったのだと諦めたりしてしまえば、それで終わりになる。
セゴビアも人間なら私たちも人間なのだ。遺伝子工学博士の村上和雄氏によると、人間の持つ遺伝子暗号(情報)は僅かに0.5%
しか違わないのだという。つまり、99.5%は皆同じということだから、心に決めさえすれば才能とは誰にでも開かれている”能力”と言えそうだ。
私の経験から言っても「毎日の音階練習」は、確実で安定した
演奏に繋がっていった。この感覚は「良いとは知っていても」などとは言っていられない程の効果をもたらす。
現在のレベルに合わせた、「毎日の音階練習」。これを「飛躍の年」を支える合言葉とし素直に1年間を頑張ったあなたには、必ずや「ギター上達の神様」が優しく微笑むに違いない。
新しい抱負も、決心も時が経てば記憶の奥底に沈んでしまう。
お互い刺激し合って今年が「飛躍の年」になるよう切磋琢磨していこう。
2017.02.01
吉本光男